ウエルドライン強度改善とは

【PLAMOではウエルドライン強度を安定的に改善します】

①ウエルドライン強度の改善
繊維状添加剤入り材料のウエルドライン強度をメカニカルに改善します。

②最適化した製品形状の提案
シミュレーションソフトを駆使することで最適化した製品形状をご提案します。

③繊維配向の制御
繊維配向の制御はアンタッチャブルな領域です。PLAMOではこの領域に踏み込んで製品作りを行っています。

【ウエルドライン強度の考え方】

ここでは、ウエルドラインの発生する仕組について説明いたします。
ウエルドラインには繊維所添加剤の入っている材料と、入っていない材料の2種類に分類して説明する必要があります。

ウエルドラインとは

金型内に流動する溶融樹脂が2方向以上から合流することで起こり、線状に現れる現象を指します。
2方向以上から合流するとは、

  • ゲートが2か所以上ある場合
  • 製品に流動分岐する形状がある場合(穴や窓等)

となります。

ウエルドラインが線状に現れる原因としては、

  1. 金型内を流れる溶融樹脂は金型に触れながら流れることで溶融樹脂の熱を奪い、溶融状態でありながら低温で合流する。
  2. 合流する行為に対して本来はパーティングラインやガスベントから排出される空気がウエルドラインが形成される箇所に留まる。

の2つの要因でV型の微細な溝が線状にできることで、肉眼では線に見えます。

ウエルドラインは外観的な不良と機械強度の低下による不良の2種類に分類されます。 本章では機械強度の低下の仕組みについて説明します。

①繊維状添加剤の入った材料の場合

繊維状添加剤とはガラス繊維、カーボン繊維等の強化樹脂に多く使用されます。また、繊維も長繊維、短繊維に分類されます。板状添加剤も同様な挙動を示します。この材料の場合繊維配向が製品強度に大きく関わってきます。MD(流れ方向)に対して繊維が配列しますのでMD方向の機械強度は高く、TD(直行方向)に対しては繊維の強度が殆ど得られない傾向にあります。
特に長繊維に関してはその差が非常に大きいとされています。ウエルドラインは金型内で溶融樹脂が再合流する箇所です。ウエルドライン形成のメカニズムでウエルドラインに沿った繊維配向に必ずなります。ウエルドライン方向への強度はありますが、ウエルドラインと直行方向の強度は低下します。

また、上記で説明したV字溝、ウエルド会合部の溶融樹脂温度低下、金型内を流動時に発生するフローフロントに凝集する繊維状添加剤の特性などが更にウエルド強度を低下させることになります。この問題解決は一般的な成形技術の場合、ゲート位置を吟味して強度の掛かる箇所にウエルドラインを形成させないことにつきます。

弊社の技術(IMM工法)はウエルドライン強度改善に効果を発揮します。具体的なウエルドライン強度を改善するメカニズムは、一旦形成された強度低下を招く繊維配向を意図的に崩すといいましょうか、溶融樹脂を再流動させることでウエルドライン部の繊維配向を拡散させることで上記の様々な問題を解決します。

②繊維状添加剤の入っていない材料の場合

この材料は一般的にナチュラル系材料を指しています。繊維状添加剤の懸念は無いので比較的に不安定要素は少ないと言えます。V字の線は会合する溶融樹脂の状態、会合する際の空気の逃げ場所の確保である程度改善します。溶融樹脂の状態とは会合する行為において溶融状態を改善することになります。
例えば樹脂温度を上げて会合する際の樹脂温度を高く保つ、金型温度を上げて金型内を流入する溶融樹脂の温度を下げない工夫などです。どちらにしましても成形サイクルの面、ソリの面で不利になる方向です。

弊社の技術(IMM工法)は②の場合、効果は限定的です。局所的に圧縮を加えることでV字溝の深さは浅くすることが出来、V字溝深さが原因のウエルドライン強度の改善には効果を発揮します。

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