プラスチックの加工方法

当社はIMPブロックの印象が強いため、当社を厚肉成形メーカーであると認識されるお客様が多くおります。例えば業務の中で高強度の実現(金属部品等の樹脂化)があり、PPS-GFでありながら10mm肉厚の製品を高強度に成形するなどを行っています。このことが当社を厚肉成形メーカーと評価して頂けている理由だと思います。
当社は射出成形メーカーとして長年営業を行っており、仕事内容はとてもバラエティーに富み、農業から宇宙まで幅広く扱わせて頂いております。 とかく他社で真似のできない部品、例えば寸法公差±0.005を実現するなどの製造が注目を集めがちですが、一般的な部品の製造の中にも当社のノウハウがちりばめられています。当社が目指す「技術集団」の一端がここにあります。

本章では当社が行っている射出成形を中心にご説明を行います。

プラスチックの歴史は1870年代にフェノール樹脂の発明からスタートしました。フェノール樹脂は熱硬化性樹脂として現在も広く使われております。その後1920年代より熱可塑性樹脂が開発されました。ポリスチレンやアクリル、ポリエチレン樹脂などです。
1890年代からガソリン自動車が開発され1900年代から量産化されてきましたので、ガソリンの需要が急速に拡大した時代です。このガソリンを原油から精製する段階で発見されたのが熱可塑性樹脂となります。
先ずフェノール樹脂を成形するために開発された成形方法がトランスファー成形です。
トランスファー成形とは、粉末状の熱硬化性樹脂をプランジャー内でいったん加熱軟化させ、材料をランナーを介して加熱されたキャビティの中に押し込み、金型内で硬化させる方法です。
今現在はトランスファー成形を行っている企業は殆ど無くなりました。

対して熱可塑性樹脂は粒状の樹脂を溶融状態にして金型内に射出して冷え固める方法です。当初はトランスファー成形と同様に円筒型の加熱ポットをプランジャーで押して射出を行っていましたが、1940年代に加熱スクリューの発明により連続した計量・加熱・射出が行える装置になりました。射出成型機誕生です。
射出成型機の基本構造は1940年当時と変わりは御座いません。大きく技術的な進化は繰り返し精度を高めるための様々な取り組みです。スクリューの形状や、スクリュー先端の逆止弁の構造改善、スクリュー射出動作の高精度化などです。
特に油圧駆動を採用していた時代から電動サーボモーターによる制御になり、より高精度な制御が行えるようになりました。また、様々な動作に対してセンサーが取り付けられ、数値で動作の安定を観ることが出来、安定した成形が行える環境になっています。
当社の射出圧縮技術は1970年代に多くの技術者が開発を手掛けた歴史が御座います。
しかしその当時はサーボモーターなどの高精度な機器が存在しなかったことなどからその技術は普及されませんでした。2010年代にPLAMOがサーボモーターを使用した圧縮機構を開発し独自の圧縮方法で射出圧縮技術を完成させました。

射出成形には大きく分けて3つの要素から成り立っています。
一つは射出成型機であり、もう2つは樹脂材料・金型となります。
射出成型機は国内だけでも十数社あり、それぞれ特徴のある成形機を販売しています。
樹脂材料は様々な材料があり、今も新しい材料やコンパウンドによる最新機能を付加した材料の開発が盛んに行われています。その材料開発の段階で成形性に難がある材料なども上市されますが、徐々に材質を改良することで成形性が改善されてまいります。
最後の要素としては金型が挙げられます。金型は量産を目的とし、一つの部品に対し一つの金型で生産を行いますが、部品形状や要求性能は様々であることから、金型一つ一つに様々な技術を投入して良い金型を作る必要があります。この金型作成は射出成形メーカーのノウハウが大切であり、決してお客様から頂いた図面をそのまま金型製作メーカーに渡してはいけないものです。射出成型メーカーが独自に蓄積した技術力や量産性を考慮した金型に対する指示書が大切です。射出成型機、樹脂材料などは大手企業が常に改善を行っていますが、金型の性能は成形メーカーや金型メーカーに依存しているといって過言ではないでしょう。
射出成形で部品を製造依頼される際は成形メーカーと金型メーカーの技術力を加味する必要があります。

お問い合わせ

樹脂製品、プラスチック製品の設計・成形の
お困りごとをご相談ください。