寸法精度向上とは

【PLAMOでは高い寸法精度を安定的に作り出します】

①ヒケの改善
充填圧力が必要な個所にダイレクトに充填圧力を高めヒケを改善します。

②ソリ・変形の改善
成形メカニズムを熟知しているゆえに最適化した条件(金型 成形方法)で改善します。

③最適化した製品形状の提案
シミュレーションソフトを駆使することで最適化した製品形状をご提案します。

④繊維配向の制御
繊維配向の制御はアンタッチャブルな領域です。PLAMOではこの領域に踏み込んで製品作りを行っています。

【寸法精度向上の考え方】

ここでは、単純に金型の寸法が製品に影響を与える仕組について説明いたします。

「成形収縮率」の話から始めようと思います。
結晶性樹脂の収縮率は1%~2%程度であり、非結晶樹脂の場合は0.2%~0.5%程度です。

これを見ただけでも非結晶樹脂は寸法安定の面で優位である事がお解り頂けると思います。金型寸法に対して収縮が少ないという事は金型の形状に近い形で製品が出来るということです。
それに対して結晶性樹脂の場合は収縮率が大きい事から製品寸法不安定になり、ばらつきが出てしまい易い材質といえます。成形業者によって同じ材質の製品でも金型製作業者に指示する収縮率は違っている現状があります。

また、充填材によっても収縮率は変わりますし、ファイバー形状の充填材の場合は配向が発生しゲートから見た縦・横(MD・TD)で収縮率が異なります。MD・TDの考え方は平均肉厚が2mm~4mm程度までの場合で、この肉厚はコア層の概念がない中での話です。樹脂製品は4mm肉厚を超えた場合や金型温度・樹脂温度を高めた場合などでコア層が現れます。この層はMD・TDの基本概念と真逆な収縮率を示します。このことで収縮率が異なる物性が3層になって積層していると考えられます。ガラス繊維強化樹脂において大きなソリが現れるメカニズムです。

近年、シミュレーションソフトの精度が高まっております。ソフト自身高価なため、対応している企業は少ないのが現状ですが、金型を製作する前に事前にソリやヒケの現象がある程度判断でき、製品各部の収縮具合も判断できます。
この排出された情報を製品形状や金型にフィードバックさせ安定した製品を作ることが最も重要な技術といえます。

以上の様なことからお解りの様に収縮率は目安となる程度であり、製品の形状、肉厚、求められる品質によって本来は変えるべきです。

➁寸法精度を低下させる要因として「ヒケ」があります。

射出圧力が低い場合や金型・樹脂温度が高い場合、厚肉の場合などでは製品がヒケ・ボイドとなって現れます。ボイドは製品内部に潜むため寸法精度にはあまり影響しないのですが、ヒケは製品表面に現れることからそのまま寸法精度を悪化させます。対策は可能な限り充填圧力を高めることが策となります。成形機の加熱筒には溶融樹脂があり高圧で射出します。金型が溶融樹脂より低温であること、ランナーやゲートを介して製品部に射出充填されることから射出圧力は損失し、ゲートシールと相まって充填工程が想定していない程度で終了してしまいます。
結果としてヒケをゼロに抑え込むことが出来ないことになります。ヒケを最小限に抑えるには設計段階から均一肉厚を守り、金型の蓄熱部を出来る限り減らすことになります。

③最後に寸法精度を低下させる最大の要因「ソリ・変形」について説明いたします。

ソリ・変形の最大の要因は製品形状の剛性感といえると思います。金型から離形された製品は適度に暖かい状態です。そこから室温まで低下する段階で収縮していきます。収縮工程は製品全体に起こる現象ですが、その収縮度合いは製品の部位によって多少異なります。

その現象が剛性感の保たれた製品形状であれば剛性が勝のですが、剛性感の低い製品形状の場合ソリとして大きく現れます。ソリ対策は収縮工程の見直しにつきます。収縮しやすい部位がソリの主原因である場合、収縮し難い状態で離形させる必要があり、収縮し難い状態とは十分に冷却された状況を作ることになります。これは金型温度の調整となります。

ここで注意しなければならないのがヒケとの関係です。金型内で収縮工程が進むと金型内で駒に樹脂が密着する部位と離れる部位に分かれます。密着する部位は金型温度の影響を受けやすくなりますが、離れる部位は駒と樹脂の間に空気層が現れ、空気が断熱層として金型温度の影響を受けにくくなります。ソリが簡単に改善しない要因です。

前記MD・TDの欄でお話ししました繊維強化樹脂のソリの対策は更に複雑になります。

多くの場合、金型を製作した後に様々な対処法で対応しております。それは成形条件や形状の修正、材料変更などです。本来は事前の検証より金型の製作に着手したいのですが、そうできない理由がこれらの複雑な要素が絡み合っていることで起型後に長期間の対応が必要になり量産移行に支障がでます。

PLAMOでは様々なノウハウ、他社にない圧縮技術、シミュレーションからの製品形状提案等、安心してお任せいただけます。

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